呪われし宝石

 




(「へますんじゃねぇぞ、
Laurencin」
「はっ、おまえこそな、
Hiver」)
 
(母なる大地が
育んだ奇蹟
世界最大と
謳われし貴石
30ctの
(トゥラントゥ カラット,
赤色金剛石
ディアマン ルージュ)
 
所有者を変え
渡り歩いた軌跡
特典は
予約済みの鬼籍
30ctの
(トゥラントゥ カラット,
『殺戮の女王』
レーヌ ミシェル))
 
鎖された
硝子(ヴェール)
優雅に眠る
宝石(ピエール)
過ぎ去りし日の
 夢 の中
 
厳格なる
幻喪(ドゥイユ)
傳かざる
矜持(オルグィユl)
死神さえも
 腕 の中
 
『彼女』こそが
女王(レーヌ)
抗う者は
皆無
檻の外へは
逃がさない……
 
狡猾な
少女(フィーユ)
影と踊った
老婆(ヴィエィユ)
幾つもの
首を彩った
 
派手な
娼婦(クルチザンヌ)
泥に塗れた
王妃(ハナ)
幾つもの
首を刈穫った
 
廻り巡る
情景(セーヌ)
色鮮やかな
幻夢
喪うまでは
逃がさない……
 
 
(【祝い】が
【呪い】に変わる
運命の皮肉
『彼女』の
誕生にまつわる
知られざる
《物語》(Roman) )
  
 
男は掘った
薄暗い穴を
墓穴と知らずに
 
男は掘った
奈落へと至る
洞穴と知らずに
 
鎖された闇の中で
運命(とわ)に抱かれ
 
寝食さえも忘れて
掘った
灯された詩の中で
躍るように
侵蝕された歯車
斯くて狂ったように廻り
(エ・ティル・
トゥルヌ・
フォルマン)……
  
 
(――男を誘う
不思議な霧…
眼前に
現れたのは
かつて
見た事の無い
美しき原石
その魔力に
引き寄0304[せ]られる
かのように
男は
震える手を
伸ばした…… )
 
【幸運】
(ビヤン シャンス)…
嗚呼…
これまで
苦労をかけた
可愛い妹(ノエル)よ
 
【幸運】
(ビヤン シャンス)…
嗚呼…
これなら
胸を張って
送りだ0304[せ]r……
  
 
← 欲に眼が眩んだ
鉱山(ミヌ)の管理者
(コンシエルジュ) ←
 
← 眼の色を変えた
鷲鼻の宝石商
(コメルサン) ←
 
← 我が眼を疑った
隻眼の細工職人
(アルティザン) ←
 
← 廻るよ廻る…
死神(ディユー)の
回転盤(ルーレット) →
 
堅牢に見える
倫理の壁にも
時に容易に
穴が空く…
 
 
【不運】
(マルシャンス)…
嗚呼…
帰らぬ
兄を待ってる
嫁げぬ妹
 
【不運】
(マルシャンス)…
嗚呼…
変らぬ
愛を待ってる
冬の夜空……
 
(もう
Hiverお兄様)
 
(頬杖…
溜め息…
人形師の娘…
窓辺に佇む
《双児(ふたご)の人形》―― )
 
(はあ…
いつお戻りに
なるのかしら?)
  
 
鎖された
硝子(ヴェール)
優雅に眠る
宝石(ピエール)
過ぎ去りし日の
 夢 の中
 
忍び寄るの
影(オンブル)
溶け込む
緋の闇(テネーブル)
盗賊達は
部屋の中
 
失敗(へま)をすれば
刑罰(ペンヌ)
命を懸けた
任務
狙った獲物(もの)は
逃がさない……
 
 
(「やばい…
ずらかるぞ!」
「おい、
待ってくれよ!」)
 
(白馬に乗らざる
王子(プランス)
些か乱暴な
接吻(ベーゼ)
嗚呼...
『彼女』が
再び世に
解き放たれる……)
 
 
(母なる大地が
育んだ奇蹟
世界最大と
謳われし貴石
30ctの
(トゥラントゥ カラット,
赤色金剛石
ディアマン ルージュ)
 
所有者を変え
渡り歩いた軌跡
特典は
予約済みの鬼籍
30ctの
(トゥラントゥ カラット,
『殺戮の女王』
レーヌ ミシェル))
 
  
(其処にロマンは在るのかしら?)